中間選挙敗北で暴走するトランプ政権 「最悪の事態はこれから」 日本は孤立し見捨てられるのか
11月3日に実施された米中間選挙で民主党が上下院で過半数を占める勝利を収めました。米国に住む知人はメールで「米国人はトランプやその支持者ほど人種差別主義者でも愚かでもないことがわかった」と伝えてきました。トランプ政権が引き起こした関税や戦乱に苦しむ世界の人々は、安堵のため息をついたことでしょう。しかし、前途は必ずしも明るいものではありません。日本の安全保障にも大きな課題が待ち受けています。
私は、ジョージ・W・ブッシュ大統領のスピーチライターを務めたデイビッド・フラム氏が3日、米誌「アトランティック」で発表した論考を興味深く読みました。論考は次の言葉で結ばれていました。「最悪の事態はこれからだ」
トランプ・ファーストの恐怖
これから、トランプ政権はどこに向かうのか。それにはまず、トランプ氏の指導者としての哲学を知る必要があるでしょう。フラム氏の次の指摘には共感を覚えます。「彼(トランプ氏)はますます怒り、騒がしく、狂気を増すだろう。彼は自分の党の未来には関心がない。彼は国の未来にも関心がない。彼は、彼が恩知らずに拒絶した国を罰したいと思うだろう」
トランプ氏は第三帝国の復活を夢見て、絶滅戦争を仕掛けたヒトラーのような人物ではありません。トランプ氏に哲学があるとすれば、「トランプ・ファースト主義」でしょう。トランプ・ファミリーの繁栄こそが、米国の繁栄につながると本気で信じ込んでいます。だから、平気でロシアや中東との腐敗した取引を好んで受け入れます。代わりにウクライナやイラン、ベネズエラの人々が苦しんでも関係ありません。ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席にあこがれ、「自分にノーベル平和賞を与えなかった」としてノルウェーを「a toilet country(クソみたいな国)」とののしります。
トランプ氏は中間選挙直前の演説の際、ワシントンのナショナルモールにあるリフレクティングプールを披露しました。選挙後には記者団を引き連れ、ホワイトハウスで建設中のボールルームを案内しました。トランプ氏は中間選挙の結果を「受け入れる」と語りましたが、それは大統領選ではないからでしょう。民主党が今後、トランプ一族の腐敗を調査したり、召喚状を発行したりすれば、トランプ氏は怒り狂い、激しい反撃に出るでしょう。米政府元当局者の知人は「私が一番恐れているのは、戒厳令の布告だ」と語ります。