北海道新聞記者拘束の狙いとは 日本に牙を剥いたロシアの「ハイブリッド戦争」
日本にも及んだロシアの「ハイブリッド戦争」
ロシア連邦保安局(FSB)は13日、北海道新聞の日本人記者をスパイ容疑で拘束したと発表しました。記者が日本の情報機関の指示を受け、ロシアの防衛力に関する情報を収集・保管していたと主張しています。日本政府はロシア側に情報提供や人道的配慮、公平・公正な取り扱いを求め、事前の説明がないまま拘束し、一方的に発表したことに抗議しました。ロシア側の主張を裏付ける証拠は公表されておらず、私もスパイ活動があったとは考えません。この事件は、ロシアが主に欧州に仕掛けてきたハイブリッド戦争が日本にも及んだ結果だと思います。

北海道新聞記者の拘束を伝える朝日新聞の記事=朝日新聞デジタル版から
ロシアは2022年2月にウクライナへの全面侵攻を始めました。NATO諸国が直接参戦を避けてきた背景には、ロシアとの直接衝突や核兵器使用に発展する懸念があります。プーチン氏は、ロシアの領土や国家の存立が脅かされれば核兵器を使用し得るとの姿勢を繰り返し示してきました。ロシアは隣国ベラルーシへの戦術核兵器の配備も表明し、実施したとしています。
長期化するウクライナ戦争と、欧州への「新たな脅し」
ところが、ウクライナ戦争が長期化し、欧州諸国が長距離兵器の供与に踏み切るなど、情勢は変化しています。陸上自衛隊東北方面総監を務めた松村五郎元陸将は「プーチン(ロシア大統領)は核使用を含む全面対決も辞さないとの脅しが利かなくなっていると感じ、これを強化する方法を考え始めた」と語ります。
松村氏は「強化する方法」の例として、ウクライナに近接するバルト3国やルーマニア、ポーランドなどへの無人機(ドローン)の侵入を挙げます。8月には、ドイツ東部のライプチヒ・ハレ空港の立ち入り制限区域で、爆発物と起爆装置を搭載したドローンが見つかりました。ドイツ当局は「ハイブリッド攻撃」として捜査し、その後、ロシアの関与を認定しました。こうした手法によって、ロシアは欧州のウクライナ支援を揺さぶろうとしているとみられます。
「プーチンの狙い」とは
ロシアは日本に対してドローン攻撃こそ仕掛けていませんが、日本人を緊張させる事件を次々に引き起こしています。その最初の例が、今年8月のプーチン大統領による北方領土の択捉島訪問でした。今回の北海道新聞記者拘束も、日本人に大きな衝撃を与えました。