蓮池薫さんだけが持つ、北朝鮮を見通す力 対談で学んだこと
2月下旬、新潮社様にご高配をいただき、新潟産業大学の蓮池薫特任教授と対談しました。3月26日からユーチューブで無料公開されています。
蓮池さんは1978年に北朝鮮によって拉致され、24年間を平壌近郊の招待所などで過ごしました。今年はちょうど、蓮池さんが日本に戻られてから24年になるそうです。恥ずかしながら、お目にかかるのは初めてでした。でも、蓮池さんは御著書などから想像していた通り、知的水準の高い聡明な方でした。
話題を見つけるうえで幸いなことに、対談の日はちょうど北朝鮮で第9回朝鮮労働党大会が終わった翌日にあたっていました。蓮池さんも拉致されて2年後の1980年、第6回党大会を目撃しています。「当時の党大会は、金正日総書記を英雄のように扱っていました。時代が金日成から金正日に変わったことを知らせる意味があったと思います」と語ってくれました。何よりも、テレビで党大会の様子を熱心に見ている北朝鮮の人々の姿が印象的だったそうです。
よく、ヤフーニュースの匿名のコメント欄で「北朝鮮はいつまで経っても潰れない。北朝鮮は危機に瀕しているというお前の分析は、潰れる詐欺だろう」というおしかりをいただきます。政府当局者の知人は「あなたの仕事は予想屋ではなく、分析なので気にしない方が良い」と慰めてくれます。
内部は大きく変化
北朝鮮は潰れてはいませんが、いつ潰れてもおかしくないほど、内部は大きく変化しています。
蓮池さんの証言が証明しています。今の北朝鮮の人々は政治に関心を持っていません。2010年代に入って脱北した知人たちは「義務だから最高指導者の言葉を覚えるが、自分から関心を持ったことはない」と口をそろえます。蓮池さんが語るように、半世紀を経て、北朝鮮の人々は共産主義の理想も政治への関心も失ってしまったと言えます。

蓮池薫さんとの対談=新潮社提供
蓮池さんは、私には見えない北朝鮮を見通す力もあります。