自衛隊の階級名変更をどう考えるべきか― 名前に宿る「精神」「誇り」と「現場の思い」

政府が進める自衛隊の階級名変更をめぐり、制度の問題だけでなく、名称に込められた誇りや現場の思いが浮き彫りになっています。その意味と課題を考えます。
牧野愛博 2026.05.10
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政府が自衛隊の階級呼称を変更する方針を固めたようです。小泉進次郎防衛相は昨年11月21日、ネットメディアに出演し、自衛隊の階級名の変更を巡る自民党と日本維新の会との連立政権合意書に触れ、「憲法改正を追求するのと同時に、できることから始めようということの一つ」だと指摘していました。合意書は「現在の自衛隊の『階級』『服制』および『職種』などの国際標準化を(20)26年度中に実行する」としています。

閣議後の記者会見に臨む小泉進次郎防衛相=2026年4月21日、岩下毅撮影

閣議後の記者会見に臨む小泉進次郎防衛相=2026年4月21日、岩下毅撮影

私も数多くの自衛隊の皆さんとお付き合いがありますが、総じて名称の変更を希望しているようです。自衛隊の知人の皆さんの多くは、「大佐」を「1佐」、「歩兵」を「普通科」、「作戦」を「運用」と呼ぶことに「違和感を覚える」と語っています。一方、旧日本軍と同じ名称が復活することに不安を覚える方も少なからずいるようです。

「呪文のような」申し送り

安全保障専門家のA氏は「多くの自衛隊員が名称変更を希望するのは、別に旧軍の時代に戻りたいと思っているからではない」と語ります。憲法第9条のもと、自衛隊は軍隊として公式に認められず、中途半端な時代を長く過ごしました。「税金泥棒」と呼ばれた時期もありましたし、「自衛隊祭り」で子供を戦車に乗せる行為を「軍国主義だ」と決めつけられたこともあります。自衛隊の皆さんにお話を聞くと、防衛大学校の先輩から呪文のように「おまえたちの時代には、名称を変えてくれよ」と申し送られているのだそうです。「一人前の存在として認めて欲しい」という気持ちがあるということなのでしょう。

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  • 牧野愛博(まきの・よしひろ)

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