「民主主義に守られたエセ独裁者」 トランプ氏はなぜ暴言を吐くのか
米国とイラン、イスラエルが8日、2週間の停戦で合意しました。状況は予断を許さず、トランプ米大統領が議会の承認なく戦争を継続できる「開戦(2月28日)から60日」の期限も刻々と近づいています。こうしたなか、トランプ氏の常軌を逸した発言に批判が集まっています。もともと過激な発言が売り物だったトランプ氏ですが、どうしてしまったのでしょうか。何人かの識者と共に考えてみました。
過激な発言、背景に焦り
トランプ氏は停戦を受け入れる直前まで、SNSに「今夜一つの文明が終わるだろう」と投稿し、記者会見では「明日まで猶予を与えている。東部時間午後8時だ。以降は橋も発電所もない石器時代に逆戻りだ」と語っていました。記者団から「戦争犯罪に当たる懸念はないのか」と問われると、「ない」と断言していました。以前には「(ホルムズ)海峡を開けろ、狂った野郎ども、さもなければ地獄に落ちるぞ」とSNSに書き込んだこともありました。
こうした一連の過激な発言には米国内外から強い批判の声が上がりました。民主党内では議員80人以上が弾劾や大統領が職務遂行能力を失った場合の罷免などの手続きを要求しました。米保守系インフルエンサーのタッカー・カールソン氏やマージョリー・テーラー・グリーン前下院議員もトランプ氏の対応を批判しています。国連のグテーレス事務総長や、ローマ教皇レオ14世も懸念や反対の声を上げました。
オーストラリア陸軍のミック・ライアン元少将は、トランプ氏の過激な発言について「戦争終結を切実に願った結果だ」と語ります。ライアン氏が最近のトランプ氏の演説やSNS投稿をみると、トランプ氏は、イランとの戦争が、(1月に行った)ベネズエラに対する短期間の作戦とはまったく異なる状況だと悟ったといいます。「トランプ氏は実質的な軍歴がないため、表向きは(米国より)弱い国でも戦争で主体性を保てるという事実や、イランのような大きく複雑な敵に空襲だけで迅速かつ簡単に勝利することは不可能であること、開戦前に勝利へのセオリーを持つべきだということを、理解していませんでした」(ライアン氏)。
焦って、トランプ氏お得意の「力で脅して相手に譲歩させる手法」を取ったものの、イランは動じません。「地上作戦をやるぞ」と脅し、実際に米海兵隊や強襲揚陸艦などを現地に向かわせても、やはりイランは譲歩しません。打つ手がなくなって焦りが募った結果が、過激な言動につながったということなのでしょう。
ただ、トランプ氏の下品な言葉遣いは今回が初めてではありません。トランプ氏の選挙集会に行ってみた知人はトランプ氏の演説について「Fワードなど、スラングの連続で聞くに堪えなかった」と語っていました。
独裁者に憧れたか
これは、トランプ氏の政治手法と関係がありそうです。
