高市首相に問いたい 吉田茂たちと同じ思いを胸に秘めているのか
高市早苗首相は19日、ワシントンでトランプ米大統領との首脳会談に臨みます。高市氏は日米首脳会談について「イラン問題をはじめとする中東情勢や厳しさを増す国際情勢について、議論を深めてまいります」と語ると同時に「踏み込んだ話もさせていただく」としています。ただ、米国によるイラン攻撃への批判も控えています。カナダやドイツ、スペインなどの首脳が直接的、間接的な表現で米国を批判するなか、高市氏の姿勢は日本の国益と将来を考えた結果と言えるのでしょうか。

高市氏は首相就任以来、トランプ氏と親密な関係を築いてきました。日本の安全保障を守る手段として日米同盟しか持たない日本にとって、日米首脳の密接な関係は必要不可欠なものとされてきました。ペンス副大統領やマティス国防長官、マクマスター大統領補佐官、ミリー統合幕僚本部議長ら、安全保障に精通した「常識人」が多数いた第1次トランプ政権でも、この考え方は通用しました。
ところが、ご存知の通り、トランプ氏は今年、ベネズエラのマドゥロ大統領を拉致し、イランを攻撃しました。ベネズエラもイランも「ならず者国家」とみられていたため、国際社会の強い同情を得るには至っていませんが、トランプ氏はデンマーク自治領グリーンランド領有への野心も隠していません。カナダのカーニー首相やドイツのメルツ首相は、世界秩序が壊れ始めているとの認識を示しました。米国と「特別な関係」にある英国はイラン攻撃に参加しませんでした。スペインは米軍によるスペインの基地使用を拒否しました。
「仕方がない」で済ませていいのか
日本はどうでしょうか。高市氏は6日、カーニー氏との首脳会談や夕食会では、米国によるイラン攻撃についての評価を避けました。高市氏の口から、他国の首脳のような「ドンロー主義」に対する懸念を聞いた記憶もありません。「日米同盟しかない日本の首相なのだから、仕方がない」と考えるべきなのでしょうか。