現代の若者には合わない「帝国の軍隊」を望むのか 時間の針を半世紀巻き戻すヘグセス氏
ヘグセス米国防長官は9月30日、バージニア州の海兵隊基地に数百人の将軍や提督を集め、「戦士の精神」について説きました。ヘグセス氏は「太った将軍や提督を目にすることは容認できない」と語り、身だしなみや規律の強化を訴えました。トランプ氏も演説でヘグセス氏を擁護し、「私の言っていることが気に入らなければ、部屋を出て行っても構わない。もちろん、あなたの階級は変るし、あなたの未来は終わる」と語りました。ほとんどの幹部たちが硬い表情で演説を聴いていたそうです。ヘグセス氏らはこの日の会合を「米軍の士気を高めるため」としていますが、第2次トランプ政権が手掛けた様々な措置自体が、軍の士気を下げていたとみることもできます。

2025年6月22日、米国防総省で会見するヘグセス国防長官=清宮涼撮影
第2次トランプ政権発足後、ブラウン統合参謀本部議長やフランチェッティ海軍作戦部長、フェーガン沿岸警備隊司令官らが任期途中で退任しました。11月には空軍トップのオールビン参謀総長も退任予定です。米軍の軍種トップの任期は大体が4年です。ブラウン氏の在任期間はわずか1年5カ月でした。途中で退任すると、そのトップが目指した軍隊づくりが白紙に戻り、軍内部が混乱しかねません。フランチェッティ氏とフェーガン氏は女性でしたし、ブラウン氏は米軍のジェンダーやLGBTQ+の問題に取り組んでいたことで知られています。ヘグセス氏は9月30日の演説で「軍は人種、性別、『歴史的初めて』(という試み)に基づいて、間違った理由であまりにも多くの指導者を昇進させてきた」とも語りました。
髪の長さや爪にも規制?
また、ヘグセス氏はすでに軍人の髪型などにも細かい注文をつけていました。