二つの演習が日本に問いかけるものとは 米軍が見せた姿勢と付きまとう不安
今年7月から9月にかけ、興味深い二つの演習が実施されました。米空軍主催の多国籍訓練「レゾリュート・フォース・パシフィック(REFORPAC)2025」と、陸上自衛隊と米海兵隊との日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン(RD)25」です。前者は7月10日から8月8日まで、太平洋地域の50カ所以上で行われました。日米韓豪などから1万2千人が参加しました。後者のRDは9月11日から25日まで沖縄など8道県で行われました。過去最大規模の日米で計1万9千人が参加し、米軍の最新ミサイルが展開しました。

レゾリュート・ドラゴンの海兵隊
自衛隊が参加する場合、日本メディアは防衛訓練という言葉を使いますが、合同軍事演習には様々な目的があります。例えば、相手国との親善を深める手段として、「一緒に同じ空間にいるだけ」という演習をすることもあります。対潜水艦戦闘や捜索救難など、個々の行動の技量を高め合うための演習もあります。最近の日米韓演習やREFORPACはこれにあたります。そして、同盟国の間では、特定のシナリオに沿ってお互いの技量や役割を確認する演習も行われます。RD25は台湾有事を想定しているとみられ、この類型にあてはまります。
なぜ重要な訓練だったか?
REFORPACの場合、米空軍は400機以上の空軍戦力を西太平洋地域に集中させ、最大3千マイル(約4800キロ)離れた50カ所の作戦拠点を使ったそうです。防衛研究所の菊地茂雄政策研究部長は「米国が同盟国の信頼をつなぎとめるうえでも重要な訓練だった」と語ります。
なぜでしょうか。