トランプ王国の「壊れっぷり」示したアラスカ会談 お騒がせ男に悩み募るのは北朝鮮か
トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が15日、米アラスカ州の米軍基地で首脳会談を行いました。トランプ氏は1月の大統領就任前には、ロシアによるウクライナ侵略を1日で終わらせると豪語していましたが、この首脳会談を経てもプーチン氏は停戦に応じていません。なぜ、こんな結果に終わってしまったのでしょうか。米国やロシアの事情に詳しい知人たちに聞いてみると、「トランプ王国」がいかにひどい状況に置かれているのかが、わかりました。

トランプ米大統領
アラスカの米軍基地で、プーチン氏をレッドカーペットで迎えたトランプ氏。上空を戦闘機が飛行するなか、米大統領専用車「ビースト」に一緒に乗って会場に向かいました。その後の結果はご存じの通りです。米政府が「最低でも6~7時間以上」と見込んだ会談時間は、3時間ほどで終わりました。両首脳は記者会見したものの質疑応答はせず、予定していたワーキングランチも中止になりました。
ロシアに駐在経験がある知人は「プーチンは、トランプのことを知り尽くしていた」と語ります。ウクライナ東部2州の割譲など、自分の主張は絶対譲らない代わりに、所々でトランプ氏の自尊心をくすぐりました。「自分が大統領だったらウクライナ戦争は起きなかった」というトランプ氏の持論に同意してみせたり、会見の最後にわざわざ英語を使って、「次はモスクワで」と語ったりしました。「トランプ氏のプライドを傷つけなければ大丈夫だ」と分析していたのでしょう。
プーチン氏にとって今回、米ロ首脳会談をすること自体が目的でした。