SNS時代の安全保障に欠かせない哲学と理念 「見栄えや演出」に潜む危うさ
いま、政治の世界でもSNSの存在感が増しています。選挙や政権運営でもSNSが大きな武器になります。高市早苗首相も、記者団による「囲み取材」が最近の歴代首相に比べて少ない代わり、SNSで積極的に発信しています。イメージ戦略での成功が高市政権の高い支持率を支える要素の一つなのかもしれません。SNSは大切だと思いますが、そこに夢中になり過ぎても問題が起きるのではないでしょうか。特に、安全保障の分野はなおさらです。
SNS政治の功罪
米国とイランが日本時間18日に戦闘終結に向けた覚書に調印。その後、スイスで協議が始まりました。米国とイスラエルが2月28日、イランを攻撃してから実に100日余り。トランプ米大統領は当初、「3~4週間で攻撃が終わる」としていました。米CNNによれば、トランプ氏がこの間、「合意が近い」などと主張したのは6月11日までの時点で少なくとも39回に上るそうです。そのうち、かなりの部分がSNSでの投稿でした。
私も毎朝、起床してまず、夜中に流れていたロイター通信などの外電の速報を確認します。しかし、こう何度もトランプ氏の「合意が近いよ」という発言を聞かされると、「オオカミ少年」の寓話を思い起こしてしまいます。特にSNSの一方的な発信では、確認もできませんし、言葉のひとつひとつにあるニュアンスを探るのも難しくなります。
私が最近、聞いたのは小泉進次郎防衛相についての話です。小泉氏の評判は決して悪くありません。昨年12月6日、沖縄本島南方の公海上空で、中国軍J15戦闘機による航空自衛隊F15戦闘機に対するレーダー照射事件が発生しました。小泉氏は事件直後の12月7日午前2時ごろに記者会見を開き、「危険な行為だ」と批判しました。自衛隊元幹部は「中国は20年以上前から三戦(情報戦、心理戦、法理戦)を唱えている。これからは、どんな情報を発信するかが重要で、発信しないという選択肢はない」と評価しました。

小泉進次郎防衛相=2026年6月17日、防衛省、富永鈴香撮影
また、内倉浩昭統合幕僚長が12月11日の記者会見でレーダー照射事件について言及した際、約30年前にF15のパイロットとして対領空侵犯措置に従事していた体験談を披露しました。離陸すると、「冷静・厳格」とマジックで書き込んだ手袋を見ながら飛行していたと語りました。すると、小泉防衛相は16日、X(旧ツイッター)で内倉氏の手袋を公開しました。自衛隊に勤務する知人は「見事な連携だ」と語っていました。
「演出」がもたらす歪み
ところが、芳しくない評価をもらったこともあります。以下は、小泉氏が昨年12月24日にXに投稿した内容です。
