韓国メディア危機から見えた「権力」との距離感 「つかず、離れず」「是々非々」の大切さ

韓国大手メディアの経営危機を手がかりに、報道と権力の関係に注目しました。現場取材を通じて浮かび上がった「距離」の難しさ。政治記者時代、そして特派員の経験などから考え直しました。
牧野愛博 2026.07.05
読者限定

6月、ソウルにお邪魔して様々な方とお目にかかりました。現場を訪れなければわからない、権力の動きや政策の裏側など、大変勉強になりました。いずれ、ニュースレターでも扱いたいと思います。今回の取材で、韓国の知人たちが驚いていたのが、韓国大手紙・中央日報を擁する中央グループの混乱劇でした。

同グループのケーブルテレビ放送局JTBCなど系列5社は6月半ばまでに、日本の民事再生手続きに相当する手続きの開始を申請しました。中央日報は朝鮮日報、東亜日報と並ぶ「朝中東」の一角です。韓国中堅紙幹部は中央日報やJTBCの現状について「すでに法人カードも使えなくなり、給料の遅配や人員整理などの噂が飛び交っている」と教えてくれました。

私がこの事件に関心を持ったのは、メディア不況は、日本にとって人ごとではないという事情もありますが、「メディアと権力の関係」をいま一度考える契機になったからです。なぜなら、今回の経営危機の背景にはまさに、「メディアと権力の関係」がからんでいたからです。

メディアと権力の関係を考える

この記事は無料で続きを読めます

続きは、1981文字あります。
  • 牧野愛博(まきの・よしひろ)

すでに登録された方はこちら

読者限定
SNS時代の安全保障に欠かせない哲学と理念 「見栄えや演出」に潜む危う...
読者限定
その時、米軍は来るのか イラン攻撃が私たちに与えた教訓
サポートメンバー限定
イラン戦争が突きつけた米国覇権の終焉と国際秩序の転換 米有識者の視点
読者限定
国力研究会のネーミングが示す、日本政治の課題 スローガンだけでいいのか...
サポートメンバー限定
影の主役はトランプ大統領だった――中朝首脳会談の裏側を読み解く
サポートメンバー限定
太平洋が米中に2分割される日が近づいている 「米軍が去る日」にどう備え...
読者限定
国家情報局、看板の掛け替えだけでは意味がない――問われる高市首相と官僚...
読者限定
日本の価値外交が敗北した日——高市氏の「進化したFOIP」が壊したもの...