イラン戦争が突きつけた米国覇権の終焉と国際秩序の転換 米有識者の視点

イラン戦争は、米国の軍事力と国際的影響力に何をもたらしたのでしょうか。米シンクタンク研究者の分析から、膨張する戦費や抑止力低下、覇権の揺らぎといった実態を読み解きます。
牧野愛博 2026.06.16
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米国とイランが19日、スイスで和平の枠組み合意に署名する見通しです。2月末に始まった戦闘が終結することになりますが、果たしてこの戦いは、米国や国際秩序にどのような影響を与えたのでしょうか。米シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」ジェニファー・カバナー上級フェローは4月、昨年8月から今年3月にかけ、ベネズエラや東太平洋での米軍の作戦費用が少なくとも47億ドル(約7400億円)に上るとする論文を共著で発表していました。カバナー氏は「イランとの戦争は米国の覇権の終焉を加速させた」と語ります。

米シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」ジェニファー・カバナー上級フェロー

米シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」ジェニファー・カバナー上級フェロー

――米国防総省当局者は4月末の議会証言で、イラン戦争の作戦費用が250億ドルに上ると明らかにしました。

このコストはあまりにも低すぎるように思えます。ほとんどの専門家は、戦争の弾薬費用だけで250億ドルにのぼると評価しています。これは米軍の装備や基地の損傷、運用と、航空機や軍艦の消耗に伴うコストを考慮していません。米国や世界に与えた莫大な経済的コストも除いています。

――ベネズエラとイランでの戦費は、米国防費全体の予算にどのような影響を与えるでしょうか

これらの費用がたとえ上澄みされるとしても、次年度の国防総省の予算要求額1.5兆ドルに比べればかなり小規模だと言えます。

――イラン戦争で、米海軍艦艇の西太平洋での運用や抑止にどのような影響が出ていますか。

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