監視強化続くベネズエラと揺れるグリーンランド トランプ政権の限界と日本が向かう道筋は

ベネズエラ駐在経験のある元米陸軍特殊部隊大佐のマッキャモン氏が見るベネズエラ。そして、グリーンランドを取り巻く北極圏やNATOはどうなるのか。日本の安保に与える影響についても聞きました。
牧野愛博 2026.02.01
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2026年に入り、ベネズエラやグリーンランドを巡る安全保障が揺れています。現在の動きをどう理解すればいいのでしょうか。日本にはどのような影響があるのでしょうか。ベネズエラの米国大使館に勤務した経験があるロン・マッキャモン元米陸軍特殊部隊大佐に聞きました。

ロン・マッキャモン元米陸軍特殊部隊大佐

――現在のベネズエラの状況をどうみていますか。

ロン・マッキャモン元米陸軍特殊部隊大佐(本人提供)

ロン・マッキャモン元米陸軍特殊部隊大佐(本人提供)

マドゥロ大統領の退陣にもかかわらず、ベネズエラ社会は依然として深い恐怖と厳格な統制に支配されています。武装した(親マドゥロ政権の民兵組織)コレクティーボは、主要都市で公然と活動を続けています。市民を呼び止め、身分証明書を提示させ、多くの場合、携帯電話のロック解除を強制する非公式の検問所を設けています。(携帯の)メッセージやソーシャルメディア、インターネットに、反政府コンテンツが含まれていないかどうかを調べます。

これらの行為は、常に監視と威圧の雰囲気を生み出しています。公式の抗議活動が減少したのは、不満が消えたからではなく、異議を申し立てた場合の代償が、すぐに個人個人に降りかかるからです。日常生活は恐怖、経済的疲弊、そして非公式なネットワークへの依存によって形作られています。コレクティーボは、国家が人々を従わせる執行者として機能しています。社会的な統制を確保していますが、正式な制度は空洞化したままです。

――コレクティーボを指揮しているとされるカベージョ内相も健在です。ベネズエラの行政、司法、立法は何も変わっていないのですか。

構造的にはほとんど変わっていません。カベージョのような主要人物は依然として権力にとどまり、改革ではなく継続性を示しています。行政部門は依然として安全保障に関与するエリートたちが支配しています。

司法も依然、政治化されていて、正義をもたらすよりも反対派を威圧するために使われています。これは政治犯の扱いからも明らかです。政権は大量釈放を約束する声明を出していますが、実際に解放された人はごく一部に過ぎません。多くは適正な手続きなしに拘留されたままです。釈放されても、監視や脅迫が伴う条件付きです。

立法府は実質的な権限もないのに、法的な権限を(行政府に)提供し続けています。ベネズエラのシステムは指導者の交代という事態を乗り切るために設計されており、まさにそれを成し遂げたと言えます。

――MAGA(「米国を再び偉大に」と唱える政治運動でトランプ政権の支持基盤)は米軍の地上派遣に反対しています。これがトランプ政権の限界だと思いますか?

おおむねそうだと思いますが、それは弱点というよりも意図的な結果でした。トランプ政権は、長期の兵力派遣を避けながら、決定的で影響力の高い行動を支持しています。国内の政治的制約とイラク・アフガニスタン戦争からの教訓を反映したものです。優先されるのは占領や国家建設ではなく、情報主導の作戦、(安全な場所から攻撃できる)スタンドオフ能力、代理人による圧力、経済的強制です。

――トランプ政権はグリーンランドを領有できますか。

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  • 牧野愛博(まきの・よしひろ)

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