安全保障の第1歩は敵を知り、己を知ることから 「徹底的に情報を隠す」中国となぜ付き合わなければならないのか?

空自機へのレーダー照射でさらにエスカレートしつつある日中関係。しかし、本当に必要なのは偶発的な衝突を避けるための交流です。その意味では文化交流の制限や訪日自粛はあってはならないことです。
牧野愛博 2025.12.14
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よく、「安全保障の第1歩は信頼醸成から」と言われます。自衛隊も毎年のように、様々な国の軍隊と交流しています。お互いに相手のことを知り、理解することが、武力衝突を避ける大きな力になるからです。私がこんなことを思い起こしたのは、最近悪化する一方の日中関係を巡り、中国と信頼を築くことの難しさを痛感させられるからです。

小泉進次郎防衛相は7日午前2時、沖縄本島南東の公海上空で6日午後、空母から発艦した中国軍のJ15戦闘機が、対領空侵犯措置(スクランブル)を実施していた航空自衛隊のF15自衛隊機にレーダー照射を行ったことを明らかにしました。小泉氏はレーダーの種類は明言しませんでしたが、異例の時間帯の会見だったことや、中国の行動を危険視したことから、ミサイルを電波誘導するための火器管制用レーダーだったとみられます。これに対し、中国側は小泉防衛相の発言を全面的に否定する一方、自衛隊機が危険な行動を取り、中国軍の訓練を妨害したと主張しています。

記者団に説明をする小泉進次郎防衛相=2025年12月7日、防衛省内、防衛省提供

記者団に説明をする小泉進次郎防衛相=2025年12月7日、防衛省内、防衛省提供

「中国は徹底的に情報を隠す国」であっても

起きてしまったこととはいえ、ここでまず必要なのは、中国軍の意図がどこにあったのかを知ることです。誰が火器管制用レーダーの使用を指示したのか。実際にミサイルを発射する可能性が万に一つもなかったのか。そして、どうしてこんな危険な行動を取ったのかを確認する必要があります。火器管制用レーダーの使用は「拳銃の引き金に指をかける行為。武力行使とみなされても仕方がない行動」(航空自衛隊の元幹部)だからです。

でも、複数の報道では、日本が2023年春に設置された日中ホットラインを使って中国に問い合わせても、中国側は応答しなかったそうです。中国はなぜ、反応しなかったのでしょうか。

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  • 牧野愛博(まきの・よしひろ)

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